新元号、発表されましたね!
『万葉集』は、大学時代の卒論でも扱ったので、それについても記事を書きたいなーと思っておりますが…
とりあえず、いだてん感想書いとこう!
第13回『復活』!
なんとも清々しい回でした…✨
四三のオリンピックは、
日射病による途中棄権(行方不明)という、
この上なく残念な結果。
いわば四三は今どん底にいる。
そこからどう這い上がるか。
どんな「復活」の様を見せてくれるのか…。
それを楽しみにしていましたが、
その描き方は、ほんとうにシンプルでした。
わりと淡々と、出来事を並べていっただけ。
でもそれらの出来事が、すべて四三の復活にうまくつながっていた。
そんな感じです。
順に見ていきましょう。
まずは現場検証。
ダニエルとともにマラソンコースをたどる。
記憶も混乱していました。
「JAPAN」…?という声が聞こえて、必死に「日本人です」と主張する四三の姿が、痛々しいけれど…
とはいえ、現地の方々は極めて適切な処置を施してくれた。
レモネード(クエン酸)と糖分を摂取させる。
これで四三は助かった。
でも…
電車の中で嗚咽。
「大丈夫?」と尋ねてくるおばさんも…。
そう、あまりにつらそうにしていると、他人でも、こうやって声かけてくれる人いますよね。経験あります。ありがたいことです。
でも、そんな風に人目も憚らず
泣いてしまう時は、
その優しさに答える余裕すら
ないんですよね。
だから、何も言わずそっと帽子をかぶせた
ダニエル、あんた正解…✨
そしてラザロの訃報。
あの時、道を間違えなかったら、
自分もラザロと同じようになっていたかも…
そう思うと、間違ったコースに進んだ
少年四三の幻は、大人四三の命を救おうと
したのかもしれませんね。
しかし、四三は、
「それでよかったのか…」
と思う。
自分も、こんな情けない結果になるより、
死ぬくらいまで走った方がよかったのでは…?
無言のうちに、そうした国民の期待を感じていましたからね…
新聞記事も、四三に「倒れて後止むの大決心をもって臨む」と言わせていました。
でもそこは!我らが三島弥彦です!
「よかったに決まっている!
死んだら君、二度と走れんのだぞ!」
かっこええー!💓
めっさかっこええー!!
「死んだら二度と走れない」これは
弥彦が窓から飛び降りようとした時に、
四三が彼に言った言葉ですね…!✨
この二人の絆…
海より深いで…
このように、四三と私たち視聴者は、
弥彦の言葉を通して、命があることの価値を再確認します。
そして生の価値を確認した後、
死にゆく者が描かれる。
病に臥した大森監督を
鼓舞するジゴロー先生。
これまたカッコいい!💓
練習法などをまとめた大森の論文を
誉めてくれます。
「選手だけが主役じゃない。
こうした繊細な仕事が、
スポーツの将来を作る」
大森も言う。
「十年後、五十年後の若者のために
今がある」
この二人のセリフ、
そのまま四三のこれからにもあてはまることなんですよね。
後進を育てること、未来につなげること…。
もちろん、大森自身のことを描いてはいるのですが、それが四三の復活の道にもリンクしているわけです。
そしてそして、
とにかくこれは言っときたい!
道具係さん、グッジョブです!😭✨
大森の肖像画、めっちゃ力作ですね!
私も絵を描くのが好きなので(下手ですが)、なんとなくわかります。
絵の良し悪しは、
描き手の、対象への愛にかかっています。
夫を愛しいと思うアニコの気持ち、
そしてスタッフの作品への情熱が、
あの絵からひしひしと伝わってきました。
ありがとう…
病床から、四三と弥彦に、
かろうじての「いいね!」…
あ、つい「いいね」と思ってしまうけど…💦
どっちかというと、「幸運を祈る」かな。
「大和魂、忘レナイデ!」
そう、このオリンピックでの苦楽をともに
した監督との今生の別れも、この4人の
「いいね!👍」ですべて済まされるんですよ…
お涙頂戴シーンとして、
もっとねっとり引っ張ることもできる
はずだけど、それはやらない。
ほんとに、淡々とした描き方。
でも、その方が、見る側の想像をふくらますことができる。
そしてここからも、
淡々と出来事を並べていきます。
四三棄権の結果を新聞で知り、
落胆する人々。
でも、やはり我らがスヤさんが、
とびっきり明るい笑顔で、
これからの四三の気持ちを
代弁してくれるのです。
「四三はやります、やり遂げます!」
これは二週間前の四三の言葉ですが、
今の四三の決意でもあるのです。
そしてここから、
孝蔵の落語と四三のマラソンが
これまたリンクする。
朝太の「起きろ!」で目覚め、走る四三。
犬に吠えられる。馬のひづめの音。
落語の内容と、四三の状況が重なっていく。
「何だってそんなに走るんだい?」
「火事なんだよ、火事!」
これは、二人が東京ですれ違った時にも
言っていたセリフです。
なぜ走るのか。
そう聞かれた四三はいつも「わからない」と
言っていました。
しかし、今は…
そう、四三の心は火事なんですね。
静かにふつふつと、復活に向けて、
心の炎が燃えているんですね。
そしてラザロに花を手向け、祈る選手たち。
それぞれの国の祈り方で…
これも、出来事を並べているだけです。
でも、痛いほどに、
四三たちの気持ちは伝わってくる。
その流れから、IOCによる会議。
「ラザロの悲劇を忘れないためにも」と
4年後のオリンピック開催が決まる。
そしてまた、走る四三。
そう、結局、
日記の文章だけなんですよ。
四三の気持ちを直接表しているのって。
彼が直接決意を語るシーンはまったくないんです。
でも、走る四三の姿とその日記の文章だけで、充分伝わるんですよ。
彼が「復活」したことが。
日記の文章の大意はこんな感じ。
「人よ、笑うなら笑え。
重責を果たせなかった悔しさは、
死んでも足りないくらいだが、
死は易く、生は難く…
今後は粉骨砕身し、
マラソンの技を磨くことで、
国のために尽くしたい」
昔の文体だから、
視聴者が子どもだったりしたら、
よくわからないかもしれないんですよ。
でも、あえてそのまま載せたのでしょう。
その勇気と英断に乾杯!✨
わかりすぎなくていい。
その方がいい。
むしろ、原文そのままの方が
金栗四三本人の、当時の息づかいが
伝わってくるかもしれない。
それが、歴史ものの醍醐味ではないか。
このさりげない表現方法に、
ぐっときました。
作劇の基本を見た気がする。
そう、
今までのいくつかの失敗大河ドラマとは
ここが違う。
「世のため人のため!」とか
「戦なき世を!」とか、当時の価値観に
合わないような、薄っぺらい理想を
本人に熱く語らせるなんて、
野暮なことはさせないのですよ。
本人はいたって静かに走るのみ。
むしろ、弥彦や大森監督、ラザロ、孝蔵、
スヤさんなど、周囲の人物の行動を通して、
主役の生きる道筋が見えてくる…
という感じで…。
うまい。
そして、これは、周囲の登場人物がしっかり
キャラ立ちしていないとできないこと。
いだてんのキャラクターたちは、
どの人もみんな立っていてすごい。
通訳や、将来の嫁の元旦那というサブキャラまで…
旅立ち。ストックホルムにさよならです。
これもまたサラッと表現していますね…
カメラを四三に譲る弥彦。
自分は去るから、
スポーツ界の今後は君に託したよ、
ということでしょう。
ダニエル、ありがとう。
四三だけでなく私も自然にお礼言ってたよ…。
野に咲く花の尊さを知る二人です。
元来、花を衣服に挿す、という風習には、
その花の生命力をもらう、という
呪術的意味合いがあります。
(てか、四三、実家に押し花送っていましたね。故郷の家族にスウェーデンの空気とエネルギーを届けたんだ。プレッシャーで急に
乙女化しちゃったわけじゃなかったんやね…)
そして、涙…。
よけいなことは語らせません。
一筋の涙だけです。
下手に気持ちをベラベラしゃべらせるよりも、ずっと効果的ですね。
私も、四三と一緒に、再出発していこう!という気持ちになりました!✨
押し付けがましくなく、
視聴者に元気と勇気を与える。
これぞドラマでしょうよ!
いやーほんま、クドカンすごい。
そして役者さん達もすごい。
役者の演技に説得力があるから、
余計なことをさせなくても
気持ちが伝わってくるのだと思う。
ありがとうございます…
お手本にさせていただきます…
🐣
そして…ああ…
1916年ベルリンオリンピック開催決定!
ああ…でも…でも…😭
ラザロの墓標に祈る選手たちが、
「また4年後に」と約束しあっていたのが
切なすぎる…うう…
…いや、まぁとにかく、新章楽しみだ!
ああーしかし…
生徒だけではない、教師も大好きな
春休みが終わってしまう…
これからまた忙しくなるよー…😭
いだてん感想書く暇あるかなぁ…
おぐら草紙
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