間違って作成中の文章を投稿してしまいました…。慌てて削除し、完成した形で投稿し直しました。
中途半端な文章を読まれた方、
申し訳ありません。
うっかり公開ボタン押しちゃったのよぉ~。
落ち着きがないわぁ~😱ほんと。
さて感想にいきましょう。
ストックホルム編も佳境に入りました、
第12回「太陽がいっぱい」。
前回のテーマを定める手法がなんとなく
気に入ったため、今回もやります。
今回のテーマは「未発達のエネルギー」。
全編に、たくさんの「未発達」が
散りばめられていました。
🐣
で、その「未発達」の話に入る前に…
私今回ちょっとびっくりしちゃったん
ですけど。
え、みなさんは驚かれませんでしたか?
いやね、何にびっくりしたかって…
「あっけなさ」です。
あまりの「あっけない描写」に
びっくりしたんです。
そもそも、
金栗四三の人生を描くにあたって、
オリンピックのマラソンレースなんて、
メインイベントじゃないですか。
徳川家康で言うたら関ヶ原の戦いくらいの。
だから私、レースの様子は、何回かに分けてじっくり描かれると思ってたんですよ。
少年漫画において、
強大な敵との闘いや試合が
何十回と続くみたいに。
そしたらどうよ!
あっという間に始まって、日射病で
気を失って、自室で目が覚めるところまで、さらーっと見せられちゃいました。
たった1回で結果がわかっちゃった。
このあっけなさ!
普通なら、
「も、もっと引っ張らんでよかったん?💦」
と思うところですが…
そこはやっぱり、さすがクドカン。
史実は完全にネタバレしている。
勝つか負けるか、そこを引っ張っても仕方がない、別のところにドラマや見せ場を持っていこうとしたのでしょう。
もちろん、来週には、四三が気絶した後の
ことを詳しくやると思いますが、
それも経緯を引っ張るわけではなく、
この結果によって四三や周囲の人物が
どう感じ、どう行動していくのか、
そこを掘り下げるのだと予想します。
さて、こちら熊本。
水遊びをする子どもを、
橋の上から眺めるスヤさん。
子どもたちをよく見ると、少年と少女です。
まだ男女の別を考えずに無邪気に遊べた
あの頃、もう戻れないあの時代…。
それをまぶしそうに眺めるスヤは、
すっかり大人の女性の装い。
彼女の思い出の中には当然、
四三の姿があったでしょう。
今回は過去の回想シーンがたくさん挟まれ
ますが、その流れを作るにふさわしい、
切なさ漂ういいシーンです。
こういうふうに、
描写がほんとにさりげないんだよなー。
さりげないけど、よく計算されている。
ほんまに、細やかに丁寧に作られていると
思います。
スヤさんがこの橋の上にいて、
旦那に「行こう」と促されているらしい
ということも、たぶん、ぼーっと見てたら
見逃すくらい…。さりげないわ…。
🐣
さて、テーマの「未発達」について
ですが…。
「四三さんにこの鯛をどうしても
食べてもらいたいんです!精をつけて、
勝ってもらいたいんです!」
というスヤさん。
「(届くのに)二週間かかりますからー」
くどいくらいに、スヤさんの無茶ぶりを
いさめる実次兄ちゃん。
このスヤさんの愛すべき空回り…。
なんていうか、健気ですよね、ほんと。
四三を遠くで支える人達の応援の仕方が、
まったく「未発達」で、下手くそなんです。
スヤさんしかり、家族しかり、
東京高師の面々しかり…。
みんなね、待つしかできないんですよ。
テレビもない時代だから、
電報なり新聞なりで結果を知らせてもらう
しかない。
だから彼らが今やっていることはね、
まったく意味がないの。
スウェーデンに時計を合わせたり、
めでタイ、の験担ぎで鯛を食べたり、
「頑張ってー!」と大声を上げたり、
歌をうたったり…
何も、届きはしないんですよ。
無意味なことを、
それでもやらずにはいられない、
そんな愚かで未熟な彼らが、
この上なくいとおしい。
こちらストックホルム。
そう、こちらもとことん未発達でした。
そうなんです。
やっぱり、事の始めは、
何もかもが、未熟なんです。
何もかも、効率が悪かった。
現代なら考えられないことばかり。
選手が、現地まで迷って会場までスムーズに辿り着けない。
監督が病気で、選手の足を引っ張る。
到着がギリギリで、充分な準備もできない
まま、レースが始まる…。
レース中の選手の水分やエネルギー補給に
ついても、知識が不充分で、暑さに負けた
選手は続々と倒れていく…。
四三も、水はかぶってたけど、
夢中になりすぎて、ダニエルの差し出す水も飲まなかった。
中でも、私が特に気になったのは
このシーン。
咳き込む大森に、四三は、病弱だった父を
思い出す。
そして四三は彼を背負って歩き出します。
ええ?!😲💦
嘘やん!
試合前の大事な選手に、余計な体力使わせるって何なん!
や、もちろん大森は自分でも、
「足手まといになりたくないから先にいけ」と言ってましたよ。
でも四三は、「監督、ほら!」と背中を
差し出します。
「こんな私を監督と言ってくれるのか…」
いや、もうあんた監督失格ですよ。
本番前の選手を疲れさせました。
でも、でもね、
大森監督を背負う四三は、
なんだか嬉しそうなんですよ。
満足気な表情をしている。なぜ…?
その謎の答えは、この、父と二人で
遠出をした日の回想にあります。
遅れがちな父を振り返る少年時代の四三。
そうか、そうだったの。
この時、長旅に苦しむ病弱な父を見て、
少年四三は何も言わなかったけど、
あなたはもどかしさを感じていたんだね。
「自分がもっと大きくて、強かったら、
お父ちゃんをおぶっていけるのに」
そう感じていたんだね。
だから、今、大きく、強くなって、
監督を背負っていけるほどに成長したことに、ひそかな喜びを感じたんだね。
少年時代のこのシーン、四三はほとんど
しゃべらなくて、病弱な父に対してどんな
気持ちを抱いているのか、はっきりわかり
ませんでした。苛立っているのか、気の毒がっているのか…。その時の無言の演出が
ここにつながるとは…✨
まるで、この会場までの道のりが
マラソンレースであるかのような描かれ方
でした。
会場にたどり着いた時、旗をふる沿道の人が
「ゴール!」って言ってたし…。
確かに、病弱な田舎者であった四三の人生においては、このオリンピックという輝かしい場所にたどり着いた、それだけでひとつの
ゴールといえるでしょう。
でも、そんなことをしていたから、
余裕を持って出たはずなのに、
到着はギリギリ。
四三は慌てて準備して、バタバタしたまま
スタジアムに走り込むことになりました。
そう、これなんです。
とことん、未発達。
現代なら考えられないことばかりです。
オリンピック選手に、試合に集中させる環境をまるで作れていないじゃないですか。
現代なら、
スタジアムまでの道程もしっかり下調べ
されるだろうし、それは選手ではなく、
他の雑用スタッフがするでしょう。
選手に重いものを持たせることもない
でしょう。
ゆとりを持って会場入りして、選手には
充分なウォームアップと精神集中の時間を
与えるでしょう。
「勝ち」に行くことを合理的に考えれば、
当然そうあるべきでしょう。
でも四三は違った。
何しろ初めてのオリンピックです。
スポーツ科学も未発達で、
効率的な本番の迎え方なんてまだ概念的にも整理されていないだろうし、どうすればいいなんて、まったくわからないのですよ。
日射病になってしまうこともそう。
暑さ対策も科学的に解明されていない。
すべて未発達で、合理的でないのです。
現代の私たちから見れば、たいへん
もどかしい場面の連続でした。
でも…どうしてでしょうね。
この未発達で未熟極まりない人々の行動に、不安ともどかしさと苛立ちを覚えるとともに、底知れぬエネルギーを感じたんですよ。
これから変わっていく、成熟していく、
若芽のようなエネルギーを…
だから、この回は次への跳躍のための、
バネとなる回だったと思うんです。
この時代の「未発達」をさんざん見せつけて、視聴者にフラストレーションをためさせておいて、次回から、四三が這い上がって
いく様を見せる。
だって今回の演出、ちょっと怖いくらい
暗かったんですもの。
少年の四三が間違ったコースに導いてしまうのなんかも、何とも言えない恐怖を感じました。子役の子はかわいいんだけど…💕
現地の人達が音楽に合わせて踊る場面も、
牧歌的な風景だけど、なんだか、
妖精が美しい声で妖しい世界へ
誘っているみたいな怖さがありました。
四三に抜かされたラザロは、
間違った道をいく四三に対して、
必死で「ノー!」って言ってくれたのに…
だから、なんとなく今回はつらかった。
何がなんだかよくわかっていない四三が
連呼する「すみません」も…
ベンガルの「日本人の粘りは、大和魂は
どうした?」という無神経な言葉も…
悲しくて仕方がなかった。
でも、これらのフラストレーションは
次に払拭されるでしょう。
この「未発達」な時代があるからこそ、
たくさんの「未発達」を四三たちが
経験してきたからこそ、
今のスポーツ界の発展がある。
なんなら、
発達した現代にはない輝きが、
そこにあるかもしれません。
勝ち負けだけじゃない、
結果だけじゃない何かが…。
勝負に勝つことだけを純粋に考えたら、
試合前に人なんて担いじゃいけません。
でも、目の前で苦しむ人を見たら、
助けずにいられないのが人というものです。
パワーをつけるなら、験担ぎの鯛よりも、
栄養学的にもっと適した食べ物があるの
でしょう。でも、食べたことで気持ちが
盛り上がるかもしれない。
だからね、
どっちが正しいとかはないんですけどね、
下手くそなんです。
とにかく。
人間は。生きることが。
いろんな正しさと矛盾が入り交じった
世界に生きているんです。
未発達。でもだからこそ、
次への跳躍がある。
もやもやする。でも素敵。
なんて…。
あ~なんだか今回、
複雑な感情になりましたわ…。
ちょっとしんどいんで、ここは明るく、
弥彦コレクションで締めたいと思います。
生田斗真のスーツ&シルクハット姿が
素敵すぎた。
なんかもはや、クラーク・ゲーブルあたりに見えてきたわ。
「がんばれ、マイベイビー四三…」
←注・言ってない
ベスト姿も素敵です💓
笑顔で
「探したんだよ。見つからないわけだ!」
さすが痛快男子…🥰
暗い回の中でも眼福でした。ありがとう。
あれ、
他に言いたいこともあったはずなのに。
いいのか、こんな締め方で。
いいの、いいの。
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#中村勘九郎 #生田斗真
おぐら草紙
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